【弁護士解説】取締役会設置会社の実際のメリット 取締役会を廃止するには?

中小企業の多くは取締役会を置く必要がない

日本の中小企業の多くは株を自由に売ることができない(譲渡制限)ようになっており、このような会社は非公開会社とよばれます。このような会社では取締役会をそもそも置く必要はありません。

これに対して、1株でも自由に売ることができる会社は公開会社とよばれ、取締役会を置かなければなりません。公開、非公開は上場、非上場とは別の概念なので注意しましょう。

取締役会を置くとスムーズな業務遂行が可能になる

非公開会社では取締役会を置く義務がないだけで置くことはできます。取締役会を置くことによるメリットは以下の通りです。

  • 上場準備を行うことができる
  • 特定の取締役のワンマン経営を防げる
  • 取引先からの信用が高まる
  • 取締役会で迅速に重要な業務執行を決定できる

取締役会を置くと取締役が相互に業務の監督をすることになるため、ワンマン経営を防げたり、信用を得ることができたりします。また、取締役会を置いていないといちいち株主総会で決定しなければならなかった事項を取締役会で迅速に決定することができるようになります。

費用や手間が増えるデメリットもある

取締役会を置くには取締役が3名以上必要となるため、現状より取締役の報酬が多くかかることも考えられます。非公開会社で取締役会を置く場合には監査役又は会計参与を置かなければならなくなるため、この報酬も必要になってきます。

また、株主総会の招集を書面でしたり、非設置の場合より長い期間をおいて招集しなければならなくなったりもします。

メリット・デメリットを十分に把握してどちらがより会社経営に有利か判断しましょう。

取締役会廃止には株主総会が必要

取締役会を設置するという内容は会社の憲法ともいわれる定款に記載されています。そのため取締役会を廃止するためには定款の変更をしなければなりません。

定款の変更の手続には、株主総会の招集、議決、登記が必要となります。議決については通常、議決権の過半数を持つ株主が出席し、出席した株主の議決権の3分の2以上の賛成で可決されます。出席の過半数ではなく3分の2となっているためより多くの人の賛成が必要です。

一度取締役会を廃止しても再度設置することはできますが、また株主総会を開催しなければならない、再度の登記に費用がかかることから慎重に行いましょう。

公開会社の場合

公開会社では上記の手続に加え、全部の株に譲渡制限をつけなければならないので、定款の株に関する部分についても変更が必要です。この手続はより要件が厳しく、株主の半数以上が出席し、出席株主の議決権の3分の2以上の賛成が必要です。

取締役会廃止は定款全体に影響するため慎重に

取締役会を設置していたときには取締役会がすべきこととして定款に書かれていた事項について、株主総会で議決しなければいけなくなります。それに伴い定款全体にわたり条項の修正が必要になってきます。

それだけでなく監査役を廃止してコストダウンを戦略的に図ることもできるようになります。取締役会設置・廃止の是非、手続に精通した弁護士に相談することをおすすめします。

この記事を書いた人

ネクスパート法律事務所